ハイドロキノンの美白効果と副作用とは?知っておきたい使用上の注意点

美白ケアを目的とした市販薬や化粧品にも用いられるようになった成分の中でも、美白ケアに役立つとして注目を集めているのが「ハイドロキノン」です。

確かにハイドロキノンを配合したアイテムは効率的な美白ケアに有用ではありますが、ハイドロキノンの性質から使用前や使用中に気をつけておきたいポイントが数多く存在するのが事実です。

ハイドロキノンから期待できるアプローチのほか、使用に際しては必ず知っておきたい使用上の注意点についてわかりやすく解説いたします。

ハイドロキノンってどんな成分?美白ケアに役立つのは本当?

ハイドロキノンはいちご類やコーヒーそして紅茶など自然界にもともと存在する成分で、当初は写真の現像に使用されていました。

現像する人の肌が白くなったことを受けて美白へのアプローチの発見、美容成分としての応用が開始されるようになりました。

そんなハイドロキノンは、シミの原因であるメラニン色素の生成の抑制・阻止への作用に優れていることから「肌の漂白剤」と呼ばれています。

美白有効成分として医薬部外品に配合されるビタミンC誘導体やコウジ酸などにもメラニンの生成を阻止する働きがありますが、ハイドロキノンの美白有効成分は数十倍~数百倍と報告されています。

こうした美白有効成分としての優れた作用からハイドロキノンはアメリカでは医薬品としての美白効果が認められ、多くの患者さんに用いられてきました。

対して、日本国内では刺激が強い成分であることから、医師の管理下でのみ用いられてきました。

しかし、2001年の規制緩和を受けて化粧品としての認可を受け、メーカー責任のもと1~3%と低濃度に限ってのみ化粧品にも使用されるようになりました。

ただし、現在でもハイドロキノンが4%以上のものは医師による処方箋が必要で、レーザー治療後そしてシミ・ニキビ跡の色素沈着への治療に使用されています。

ハイドロキノンには副作用のリスクはある?

ハイドロキノンは強い成分であることから、副作用のリスクは完全には否定できません。肌質によっては下記のような副作用の危険性が伴います。

赤みやかぶれを伴う炎症

強い成分であるハイドロキノンは、肌質によってはかゆみのほか赤みやかぶれを伴う炎症が生じることがありますから注意が必要です。

そのため、刺激を感じて肌の異常が生じた場合にはただちに使用を中止し、医師にご相談ください。

ハイドロキノンが配合されたアイテムをケアとして用いる際には、いきなり気になる箇所に使うのではなくパッチテストから肌との相性を必ず確認しましょう。

白く色抜けする「白斑」のリスクは?

ハイドロキノンモノベンジルエーテルはメラニン色素の合成を非常に強力に抑制しますが、色素細胞に対する毒性が強く、長期に使うと不可逆的白斑を引き起こすことが知られています。また、アレルギーを起こしやすい性質もあり化粧品への配合が禁止されています。

構造が似ているということでハイドロキノンも長年化粧品には使用されていませんでした。そのため、いろんな美白剤がハイドロキノンをまねて開発されてきました。(ハイドロキノン誘導体)。アルブチンもそのひとつです。

引用元:www.drx-web.com

上記のようにハイドロキノンモノベンジルエーテルからは白斑のリスクが伴いますが、これはあくまでもハイドロキノンと似た成分でありハイドロキノンとは別物です。

それに医薬品として処方される5%前後のハイドロキノンの使用でも、白く色抜けする「白斑」の発生は報告されていません。

しかしながら高濃度のハイドロキノンを長期&大量に使用し、かつ紫外線を浴びた場合には色素沈着が生じた例が報告されています。

高濃度あるいは長期に渡ってハイドロキノンを使用する場合には注意が必要だと言えますから、医師の指示に必ず従うようにしましょう。

ハイドロキノン配合のアイテムの使用上の注意点

強い成分で肌への刺激が伴うといったハイドロキノンの様々な性質上、使用に際しては様々な注意点が存在します。

正しく使って美白ケアに活用するにあたり、下記の使用上の注意点や使用タイミングそして保管方法に気をつけてくださいね。

紫外線対策を入念に!また使用タイミングに気をつけて

ハイドロキノン配合のアイテムの使用中には、日中の紫外線対策を入念に行ってください。

これはハイドロキノン配合のアイテムを使用した状態で強い紫外線を浴びると、色素沈着が生じてシミが濃くなる恐れがあるからです。

朝のタイミングで使用する場合には、必ずSPF20位上の日焼け止めやUVケアとしての機能を持つ化粧品を使ってくださいね。

たとえ「すぐ帰ってくるから大丈夫」と感じられるような短時間の外出であったとしても、ハイドロキノン配合のアイテムを使っている場合には必ず紫外線対策を行いましょう。

  • 日焼け止めのこまめな塗り直しができない
  • 長時間強い紫外線を浴びる

また、上記のように入念な紫外線対策ができない場合には、朝ではなく夜のタイミングでのケアに使用するようにすれば間違いありません。

保管状態と使用期限を守る

ハイドロキノンは安定性では優れているとは言えない成分で、酸化による変性からできるベンゾキノンという成分はさらに刺激の強い成分です。

思わぬ肌へのリスクを避けるためにも、開封後には冷暗所に保管&開封後1ヶ月以内には使い切るなど保管状態と使用期限には気をつけましょう。

こうしたハイドロキノンの性質を踏まえ多くの製品では使い切れる少量で販売されていますが、残ってしまった場合でも「もったいないから」と使い続けるのはNG行為です。

加えて、ハイドロキノンの変性による刺激を避けるには、変色していて劣化しているのがわかるものや低品質なアイテムを避けることも大切ですよ。

リセットした状態の肌に使う

肌に皮脂や汚れそれにメイクの成分が残っている状態では、ハイドロキノンが思わぬ化学反応を起こして何らかのトラブルが生じるリスクが少なからず伴います。

思わぬ副作用を避けるためにも肌への刺激が少ない洗顔用石鹸で優しく汚れを落とし、ぬるま湯での入念なすすぎ洗いで石鹸成分もきれいに落としましょう。こうして肌をリセットした状態でハイドロキノン配合製品を使うのが理想です。

ただし、このときに注意したいのが「洗顔後すぐの角質層に水分が多く含まれている状態で使用はNG」ということ。

確かに角質層に水分が多いと肌に使用するアイテムの浸透性が高くなるためスキンケアではベストタイミングだとは言えますが、刺激が強いハイドロキノンが配合されているアイテムの場合には効きすぎる恐れが。

したがって、ハイドロキノン配合のアイテムは「洗顔をして肌をリセットした状態で20分ほど放置したあと」のタイミングで使用するようにしてください。

20分待てない場合には、洗顔後に刺激の少ない化粧水は乳液など基礎化粧品を肌になじませたあとにハイドロキノンを重ね塗りするようにしてください。

パッチテストを行ってからスキンケアに用いる

刺激が強い性質上、肌質によっては肌に異常が生じますから必ず本格的な使用前にはパッチテストを行いましょう。

パッチテストを行ってすぐに何らかの反応が出るとは限りませんから、最低でも24時間は様子を見るようにしましょう。より慎重に様子を見たい人はパッチテストを行う部位を濡らさないようにして48時間放置するようにしましょう。

パッチテストで異常が見られなかったらケアとして使用可能です。パッチテストからかゆみや赤みをはじめとした異常が見られた場合にはケアとしての使用はできませんし、ただちにパッチテストで塗布している場所を綺麗にしてくださいね。

ピンポイントでの使用を心がける

ハイドロキノン配合のアイテムは、顔全体に使用するものではありません。刺激が強い成分ですから、必ずピンポイントの塗布に留めましょう。

ピンポイントで塗布する際にも直接手に取らずに綿棒の先にごく少量を乗せ、シミなどの気になる部分に乗せましょう。こうした工夫を行うことでハイドロキノンの品質低下の防止に役立てられますよ。

ハイドロキノンを美容ケアに役立てるには

ハイドロキノンは美容ケアで大変有用な成分ですし、美白ケアを目的とした化粧品でも用いられるようになりました。

と言っても刺激の強さから使用可能・不可能には個人差があると言えますし、美白ケアとして使用する際には必ずパッチテストから肌への相性を確認しておかなければなりません。

また、パッチテストで様子を見て「無事に美白ケアとして取り入れられる」と判断できたとしても、今回ご紹介した使用時や保管方法・使用期限などの注意点を必ず守ったうえで使用してくださいね。

使用上の注意点を守った正しい使い方こそ、ケアの基本であり思わぬリスクを避けるために欠かせない心構えです。こうした意識を常に持っておけば、ハイドロキノンは美白ケアにおいて大変力強い味方になってくれますよ。